FUUSHIKAのある暮らし-寒露


小さな子どもと一日暮らしていると、自分が自由に使える時間は限られている。そんな中で栗を拾ってきて剝いてみたくなるのは、なぜだろう。散歩の途中にどんぐりを拾い集めて、家に帰っても小さな掌で温める娘を見ているからだろうか。

1歳半の娘から目を離さずに、栗を剥くなんて大変そう。居間で一緒にやれば包丁を触りたいだろうし、台所に立ってやれば時間がかかって泣くだろう。そうやって自分にとって都合の良くない想像ばかりが浮かんで、面倒なことを避けようとする自分に少しうんざりしていたのかもしれない。後のことは薄らぼんやりと覚悟しつつも、やってみなければ出会えなかった小さな成果を認める。それが未知の塊である子どもと暮らす楽しみなのかもしれない。


金曜日、フウシカオーガニックの宅配野菜が届いた。娘は箱の中を覗き込み、そこに広がる豊かな色彩に手を伸ばす。指の力を加減できるようになり、トマトは潰さず持てるようになり、茄子は両手で抱えて得意気。茄子のヘタはちくちくしていること、人参にはふさふさとした細長い葉っぱがあること。触れてみなければ知り得なかったそれぞれの素顔を、娘は静かに感じていた。


食には、ただ口に運んで「食べる」だけでは終わらない奥深さがあると、最近つくづく思う。どんな環境で生まれて育ち、誰と共に季節を超え、今この瞬間に実りを迎えているのか。大地と人と繋がった、そんな物語に触れたとき、食べる喜びと楽しさは何十倍にも膨らむ。

栗を拾って剥くような、手間をかけて暮らしたいと思うのは、私もまた、物語を繋いでいく一員になりたいのかもしれない。娘が転がした栗を拾っては剥きながら、そんなことをぼんやりと考えている。

written by Chiaki Nakamori

 

「2022年10月初 FUUSHIKAorganic宅配野菜 Mサイズ」
・トマト(固定種) メニーナ
・中玉トマト(固定種) アミーゴ
・茄子(固定種) 真黒茄子、イタリアナス
・ピーマン(固定種) カリフォルニアワンダー
・ズッキーニ(固定種) UFO ズッキーニ、白ズッキーニ
・キュウリ(神奈川在来種) 相模半白胡瓜
・インゲン(固定種) アルプス
・ニンジン(固定種) 国分鮮紅大長人参
・じゃがいも きたあかり
・からし菜(固定種) リアスカラシナ
・ししとう(固定種) ピッコロししとう

topics:「国分鮮紅大長人参」
群馬県高崎市の伝統野菜。60~80cmになり、スコップでしか彫り上げられない。色鮮やかで甘みと香りが強く、加熱するとさらに旨みが増します。

letter from FUUSHIKAorganic